徒然苔スペシャル・96年6月30日編
今回は羽田−大分空港間の道程での徒然である。
今回は東京から大分へ向かうため、羽田の出発ラウンジでかいている。道中の連絡がよかったため出発の定刻まであと1時間ほどもあまってしまったので徒然状態である。
今度の大分行きの便は元の東亜国内航空だったと思うのだがJAS339便である。残念ながら窓側の席が取れなかったが、大分空港は夜間の飛行では単に真っ暗なだけで窓外の風景には何の面白味がないのでそれほど残念には思わない。むしろ窓外の風景を楽しむなら夜間の東京である。羽田の周りの美しいことといったらない。流石に日本の首都圏である。千葉上空に差し掛かってから着陸するまでがえもいわれず好きである。
さて、そういえば私は羽田からの出発便のJASの利用時にはこれまでいつもバス搭乗しか経験したことがない。多分大分行きのJASの便はほとんどバスなのだろう。ANAなどは逆にバスを利用したことがない。大分空港では空港自体が狭いし恐らくバスでの搭乗などないのだろう、バスでエプロンを走ったことがない。
到着時にバスが便利なのは何といっても到着ロビーまでバスで運んでくれることである。足で歩くと到着ラウンジから到着ロビーまではかなりあるのでその点は便利である。ただ、強い雨のときはやはりボーディングブリッジの方が格段に便利である事は言うまでもない。
今回は出発が最終便なのだが、朝の8時ごろから10時ごろの便というのは出発便が目白押しで、寸刻を争って空へと駆け上ってゆく感がある。滑走路使用待ちの航空機たちが長い長い列を作って、前の便が空へと吸い込まれていくやいなや次の便が滑走をはじめるといった具合である。毎度毎度思うのだがよくこれで安全を確保してゆくことができるものだと感心させられる。管制官や飛行士たちの心労はいかばかりかと気の毒にすら思えてくるほどである。羽田の新滑走路の感性が待ち遠しいだろう。私が思うに、やはりこの東京の大動脈の一つたる空港がたった一つしかないというのはどうしても無理があるのではないか。成田などといったとんでもなくひどいところに作るならばどうして有明けのようなところに作らないのか。埼玉あたりにでも一つ作ったらどうだろうか。首都機能移転云々という話があるがそんなものはどうせ戯言であるのだからもっと東京の機能を拡張させる方向に進めばよいではないか。地方都市は地方都市で勝手にやってゆけばよいのである。第一地方都市に首都のなんたるかがわかるものではなかろう。地方都市と東京都の意識のギャップは、これまでの経験からいって酷く埋めがたい差異がある。そのようなものを無理に埋めようとするのは無駄な労力を使うばかりか地方都市との軋轢がますます酷くなるばかりである。もちろん国家百年の計を目論むならば首都機能移転もいいだろうが、日本人にきっちりと役割分担を持った都市都市が創造できるだろうか。私には到底できるとは思えない。首都機能の移転を議論する前に日本人の自治や責任感や倫理に対する意識の改革こそが先立って行われるべきではないだろうか。
今まで目の前にいたJALの便がそろそろ出発するようだ。ボーディングブリッジを離れ後進してゆく。いつも不思議な感じが襲うのだが両翼のたった二つのエンジンだけでどうして地上滑走のような速度から巡航速度の時速800KM/Hまで随意に制御できるのだろうか。そしてどうしてあんなエンジンだけで百トンから数百トンもある機体を楽々と大空へ持ち上げることが出来るのだろう。もちろんエンジンの原理も知っているし浮力を得る原理も知っている。それでもなお不思議に思えてならない。
そろそろ搭乗手続きの時間が来たようだ。
この行ではすでに上空である。行間に搭乗手続きと飛行機への移動と離陸があった。今日の空はゆれている。とはいえ大した揺れではなく、巡航航路に達すれば揺れも収まるだろう。JASはいつも離陸直後に禁煙サインが消えるのだが、どうせなら離着陸時にも禁煙サインを消しておいたらよかろうに、と思ってしまうほど早い。きっと社内の人間にたばこのみが多いのだろう(冗談である)。おまけにシートベルトの着用を示すサインが消えるのも早い。よっぽど社外の人間がせっかちなのだろう(これも冗談である)。私自身はせっかちで且つたばこのみなのでこの航空会社をよく利用する理由というものが分かろうというものである。ただ、ANAやJALと違うのは離陸時や着陸時にその光景をテレビ画像で見ることができないことである。なかなか離着陸時の航空機の足からの光景というのはスリリングなのでそれを時々見るのは楽しいことである。そのため、時々ANAなどを利用している。
今機長からのアナウンスがあって、この揺れは前線の影響によるものであるという内容の案内があった。ということは巡航高度に達しても揺れは時折あるということである。まあ以前台風が来ているときに乗ったこともあるので(よく欠航にならなかったものだ)、その時も大した揺れではなかったことを思うとやはり旅客用航空便である。軍用ならば台風が来てなくても大揺れに違いない。
空路半ばもきていないのにそろそろバッテリーが点滅してきた。このマシンはバッテリーが一時間も持たないのである。せめて3時間は欲しいのだが、なんとかいい改造方法はないのだろうか。もしこの文章が途中で途切れていたらそれはバッテリーがきれたためで航空機が墜落したためではないことをご承知おき戴きたい。そもそも航空機が墜落していたら私のホームページの一ページをになうことはなくなるはずで、諸人の目に触れるということはないはずである。
機内サービスの茶菓が運ばれてきた。JASは判で押したようにこの時間はビスケットかブッセケーキである。もう何十回も乗っているのでそろそろほかのものを戴きたいのだが、サービスなのだからそれほど目くじらを立てることもなかろう。
朝一便に限ってJASは朝食を用意してくれるところが心憎い。朝一便と言っても8時25分なのだが、千葉からでは朝5時に出ないと間に合わないのでうれしい配慮である。ANAは朝8時55分が始発なので朝食のサービスはないが必ず菓子パンを配ってくれる。しかしいつも同じ菓子パンであるところがちょっと残念な気もしないでもない。JALは10時が始発だが、当然ながらエコノミークラスでは茶菓だけである。
そろそろバッテリーが残り10%を割ったようである。今日の徒然はここまでとしたい。購読まことにありがとう。
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