THE WORLD
OF
CHINESE POETRY
漢詩的世界
落齒
韓愈
盡 餘 落 俄 今 去
落 存 勢 然 年 年
應 皆 殊 落 落 落
始 動 未 六 一 一
止 搖 已 七 齒 牙
懍 毎 始 及 但 憶
懍 一 憂 至 念 初
恆 將 衰 落 豁 落
在 落 即 二 可 一
己 時 死 三 恥 時
見 今 意 終 顛 叉
落 來 與 焉 倒 牙
空 落 崩 捨 怯 妨
相 既 山 我 漱 食
似 熟 比 落 水 物
與 如 自 儻 次 餘
漸 其 足 常 第 存
亦 落 支 歳 知 二
同 併 両 落 落 十
指 空 紀 一 矣 餘
左 人 長 我 壽 人
右 言 短 言 命 言
驚 齒 倶 生 理 齒
諦 之 死 有 難 之
視 豁 爾 涯 恃 落
持 因 嚼 語 木 我
用 歌 廢 訛 鴈 言
詫 遂 軟 黙 各 荘
妻 成 還 固 有 周
子 詩 美 好 喜 云
この詩と私
この詩のように私は年を取って歯が抜けたと言うわけではなく、単に虫歯なのだが、作者のように若くして歯が抜けていることは同じである(私は抜歯したのだが、それは現代社会が文明としての成果であるところの歯科医を所有しているからであり、つまるところ韓愈と同じである)。ただ、栄養状態が決定的に違うために、韓愈はどうも歯槽膿漏にかかっているのだろうか、餘存皆動搖と嘆いている。気をつけたいものだ。文明が歯科衛生士と歯科医と歯科技工士を所有したことを欣快と心得たいものだ。
さてさて、この詩では前半とはうってかわって後半では妙に明るい詩になっている点が大好きである。負けず嫌いと言うか、虚勢を張ったついでに出来てしまった歌を(おそらく亭主や父親の間抜けな歯抜けずらを日ごろ馬鹿にしているであろう)妻子に見せびらかしに言ってやろう?と言うくだりには思わず笑ってしまうほどである。もちろんこの解釈は独流の読み方しかできないから間違っているかもしれない。別に構わないが、この解説?を以って他人に吹聴したりしないように一言ご注意申し上げる。ただし、解釈が誤っているとは思ってはいない。漢文に自信があるひとは密かに嘲ってほしい。
さて、今回から面倒くさいので読み下し文はつけない。ちょっと古典を齧ったものであれば全くやさしい漢文であるから、かえって邪魔であろう。
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